看護学部の勉強は 小中高までの勉強とは質が違いました。
常に突きつけられるのは「命に向き合う人材になる」という覚悟です。
「なぜこの知識が必要か?」
「なぜ技術だけでは不十分なのか?」
その問いに答え続ける毎日は厳しい反面
「何のための勉強か」と迷う暇がないほど、実践に近い手応えがありました。
しかし、迷いがなかったわけではありません。ふとした瞬間に、自分を疑ってしまう夜もありました。
「家族でもない私が、本当に患者さんを看護できるの?」
「勉強してもすぐ忘れる私が、現場に立って大丈夫?」
「もし医療事故を起こしてしまったら……」
そんな恐怖と隣り合わせの学生生活でした。
変化球な試験:微生物の小説?
座学や実技テスト以外にも 印象的な課題がありました。
例えば、「微生物をテーマにした小説を書いて提出」というユニークな試験。
ただ知識を詰め込むだけでなく 想像力を働かせて理解を深める時間は
看護の奥深さを知るきっかけになりました。
課題:「死生観」を書くということ
一方で苦労したのが 「看護とは」「私の死生観」
といったテーマの提出課題です。
大きな病気も家族の死も経験していない学生の私には
何を書けばいいのか分からず、文献を引用することで精一杯でした。
課題の内容が私に現実を見ろと言っていました。
「本当に私が看護師に…」という感覚が強くなってきます。
やっぱり志がゼロに近い私がここにいてはいけないと思い大学を辞めることも考えました。
美容専門学校の資料を取り寄せたのもこの時期です。
そんなとき、母性看護の授業で先生が言った言葉が私に道を開いてくれました。
母性看護とは産科の学習が中心です。
助産師免許を取る過程について説明していた先生が、
「看護師免許を取ったとしても、看護師として働かないといけないということではないのよ。」
と言ったのです。
私はこの言葉に救われました。
「ここに座っていたら看護師にならないといけない」
「もしかしたら看護師になれないかもと思いながらここにいてはいけない」
と思っていた私。
「看護師の勉強をして、会社員になってもいい。」と言ってくれた先生。
私が悩んでいたことを全く知らない先生が言った言葉でしたが、
とても大きな力がありました。
これで「とりあえず国家試験を受けて免許を取るまでここで頑張ってみよう」という気持ちに変わり大学を辞めることもなく4年間通い続けることになります。