新人ノート①「本当に私が看護師に?」のその先へ。初めてのインシデントで知った、プロとしての責任と「次」への一歩

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看護師免許を取り、「本当に私が?」のまま看護師になった私。
実感がかわないまま、白いナース服に袖を通しました。(学生の頃は水色だったので白いナース服は初めて)

入社式の後、3日間ほどの研修ののち病棟勤務が始まります。
病棟ではオリエンテーションやプリセプターと一緒に患者さんを受け持ちます。
まずは日勤の業務に慣れていきます。
「憧れの看護師!」「看護師の私、すごい!」のような高揚感はなかったため、「ここに私がいていいのか?」の中で緊張続きの毎日でした。

一人で受け持ちをすることになってからもプリセプターや先輩がフォローしてくれますが、病棟も忙しい日や時間帯は注意です。
私は病棟勤務が始まって1週間ほどで初めてインシデントを起こしてしまいました。
昼食前の血糖チェックをしていなかったのです。
昼食前は病棟全体が忙しい時間です。
フォローしてくれる先輩も毎日同じ人ではないこともあります。
私が指示書から血糖チェックの時間を拾うことができていなかったこと、先輩との情報共有が漏れてしまったことなどが重なり、血糖チェックをせずに昼食が始まってしまいました。

幸いインスリン投与の必要のないチェックだけの患者さんだったため重大なインシデントにはなりませんでした。

ただ、決して同じ間違いをしないように、私は時計のアラームが必ず11時にピピっと鳴るように設定しました。
血糖チェックをする患者さんを受け持っていてもいなくても11時にアラームが鳴るようにし血糖チェックがあるかないかもれなくその音で確認するようにしました。

これは、たまたまそのアラームを聞いて「なんの音?」「血糖」などのやりとりで担当の血糖チェックを思い出した同僚もいて、忘れないためのシステムの大切さを実感しました。

看護師の仕事は同時進行が日常茶飯事で、突発的なことも常に起きています。
インシデントが起きない方がおかしい現場で、間違いは許されないという状況です。
その状況では、「患者さんのことをどんなに想っていても」インシデントは起こってしまいます。
患者さんの安全のために、患者さんのことを想えない状況でも間違えないようにすることが必要なのです。

その後もインシデントの度にどんなシステムを作ればいいかと考えるようになりました。
「忘れないようにする」「メモをする」など人間の記憶や意識に頼った対策は完全ではないため対策とは言えません。

イメージは酸素吸入のバルブです。
酸素のバルブに吸引のバルブは差すことが出来ません。このシステムでインシデントは0%になります。
このシステムのことを常にイメージして「間違えたくても間違えられないようにするにはどうすればいいか」と考えるようになりました。

インシデントといえば、清潔操作でのミスも忘れられません。
新人3ヶ月頃、まだDrの処置介助は見学だけしかしたことがない時期でした。

担当患者さんのナースコールで部屋に行くと「苦しい」と呼吸が荒く、SpOを測定すると60%台に低下していました。気胸です。
すぐにDrに報告しCT下でトロッカーを入れることになりました。
担当看護師は私で処置についたことがありませんでしたが、緊急だったこともあり私以外に処置につける先輩もおらず。
Drもそのことを知ってくれた中で処置が始まりました。
私も必死で処置の流れを見ながら言われたことを確実にしようと集中しました。

滅菌手袋を付けたDrが「シリンジ」と私に手を出します。
私は麻酔用の10㏄のシリンジを袋から出して渡しました。
これは見学の時にも見たことがありました。
麻酔用、容量も間違えていないはず。
「ありがと。」と先生も言ってくれています。
よかった、とりあえず言われた指示を聞いて正確に着実に。
そう心を落ち着かせたときです。

シリンジの写真に「ん?今手で触った?」の文字

「ん?今、手で触った?」

私はシリンジ袋を開けて、滅菌手袋ではない手で出してDrに手渡してしまったのです…
一刻を争う処置中にDrはもう一度滅菌手袋を脱いで装着しなおす結果になりました…


タイムロスはありましたが、処置は無事に終わりトロッカー挿入だけで呼吸状態も落ち着きました。
足を引っ張るだけだった私に、患者さんには「苦しくなったときすぐ来てくれてありがとうね。」と、Drからも「初めてでびっくりしたなー。ありがとな。」と言ってもらい、何とか仕事に戻ることができました。

インシデントは起こしてはいけないものですが、現場の安全は数々のインシデントの上に成り立っていることも事実です。
インシデントを起こしてしまうと、必要以上に自分を責め続けたりしてしまっていましたが、
そのたびに自分なりの対策を取ることで、つぐないの気持ちや自分を責める気持ちにピリオドを打つことを学びました。

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