【お読みいただく前に】
本記事の内容は、筆者の看護師・保健師としての実務経験と一般的な医療情報に基づいた「個人の見解」です。
実際の診断や治療方針、またはお勤め先の法的ルールについては、必ず医師や専門の医療機関、または会社の担当部署へご相談ください。
1.人間ドックは何を調べてる?
会社によっては法定健康診断か
人間ドックを選べるところもあり、
「人間ドックって受けた方がいいの?」
と思っておられる方がみえると思います。
私の答えは「受けた方がいい」です。
費用がかかることも多いので、
頻度は自分の受けられる範囲でいいと思いますが、
「40歳」などの節目に一度受けることを強くお勧めします。
一度に受けるのは大変という場合も、
「今年は胃キャンペーン」「今年は肺キャンペーン」と
何年かに分けて受けることもあります。
これは、法定健康診断では見つけられない病気の早期発見のためです。
法定健康診断が無駄というわけではありません。
車や家と同じように、身体も年月が経ってくるとメンテナンスが必要になってきます。
40歳になったので一度メンテナンスの項目を増やして
全体を広く深くみておきましょうというご提案です。
法定健康診断よりどこが広くて深いのか説明していきます。
人間ドックには法定健康診断と同じ項目が含まれています。
法定健康診断についてはこちら【ゆるく解説】自分の体を知る第一歩。一般定期健診の検査項目と受ける意味まとめ
血液検査
白血球:
高くなることで感染症や体内のどこかに炎症があるかどうかがわかります
血液のがんやストレスの状態がわかります
赤血球:
主に貧血をみています
血小板:
血液の病気をみています
高いと血の塊ができやすく、心臓や脳の血管に詰まると大変です
低くても血液の病気が疑われます
地味な項目ですが、しっかりとあなたの体の状態を表してくれています
ヘモグロビン:
血の濃さを調べています
貧血や栄養状態をみてお薬が必要かも判断できます。
総蛋白:
身体の栄養状態や腎臓のトラブルをみています。
話題のたんぱく質です。
体重や見た目は正常でも質が伴っていないと
筋肉量の低下や骨粗しょう症などのリスクが高まってしまいます。
「足や顔がむくむ」「髪の毛がまとまらない」など
美容や体質だと思っていた悩みも、タンパク質の低下が原因ということもあります。
私は個人的に楽しみにしている項目だったりします。
アルブミン:
身体の中のたんぱく質の種類です
身体を作り、血液の中の運搬にも関係する物質です
栄養状態や腎臓の状態を知るために測っています
便検査
この検査は人間ドックの肝でもあります。
大腸がんやポリープを調べるためには便検査が唯一の入口です。
できるだけ2日分の便を提出できるようにしてください。
検査棒は便に刺すのではなく、表面をこすり取ってくださいね。
バリウム・胃カメラ
必ず胃カメラを選んでください。
負担と効果を考えると胃カメラ一択です。
私はバリウムを受けたことがありません。
胃カメラしか意味がないからです。
胃カメラであれば、喉や食道など胃以外の検査も一度でできます。
一緒にピロリ菌の検査もできてしまいます。
鼻口、鎮静剤の有無は自分の好きな方を選んで、
カメラで胃の心配事を一掃しましょう!
腹部超音波・エコー
楽なのにとても重要な検査です。
痛みも苦しさもないのに、
肝臓から腎臓まわりの臓器の形や石、ポリープなどを見つけることができます。
血液検査ではわからない病気も見つけることができるので、受ける価値ありです!
お腹にプラスチック製の装置を当てるだけでこんなにたくさんの病気を見つけることができます。
眼科
法定健康診断でも視力検査の項目はありますが、
人間ドックでは眼底・眼圧検査という項目が追加になります。
目の奥の血管や目の硬さをみています。
目の血管を見ることで全身の血管の状態がわかり、
高血圧や糖尿病とそれによる緑内障の状態を知ることができます。
2.人間ドックの意味
最初にも書きましたが、
人間ドックは40歳以上の方は「受けた方がいい」です。
費用の問題もあるため、年1回必ず受け続けるかは別とします。
それでも中高年に差しかかる時期に1度、
身体の状態を知る機会を作ってください。
そこで異常や心配があった項目を重点的にメンテナンスするだけでも、
健康寿命は延びていきます。
オプションのところでもお話ししていますが、
人間ドックを受けるために年に
1回2万円の費用がかかったとしても、
月にすると1700円です。
月1700円で5年後に大きな治療費がかかるかもしれない病気を未然に防げるとしたら。
大腸がんのように発症してしまったら
手術や何か月もかかる治療が、
早期発見なら1泊2日で済むとしたら。
年1回の健康診断は異常を出さないためではなく、
自分の身体のメンテナンスするべき場所を知るための機会です。
「法定健康診断で異常が出ていないから」
「お金がかかるから」ではなく、
4年に1回のオリンピックのように、
2年に1回の車検のように、
10年に1回の保険の見直しのように、
数年に1回の厄年のように。
何に例えると腑に落ちるかは人それぞれだと思いますが、
40歳以上の方は一度人間ドックを!