「ほんとに私が看護師に?」と思っている者にとって、就職活動は難関です。
看護師の就活は毎年のように売り手市場です。
さらに私の就活時期は緩和ケア病棟の設立が始まった年で、
特に求人が多い年でした。
世間の厳しい就職活動をされた方には申し訳ないですが、
「エントリー」イコール「採用」と思いながら病院選定や見学をします。
学校からもあまり多くの病院を受けてはだめよという指導も受けるくらいです。
そうとはいえ、試験や面接などは受ける必要があります。
自己紹介に志望動機、看護に対する熱意、将来設計を言葉にしなければならず、
将来の夢や目標がない私は絞り出すこともできません。
面接対策本を読んでも、
気持ちがないので言葉にすることがでず
途方にくれました。
客観的に見た私は?と友達や先生に聞きました。
だいたい長所を言って褒めてくれるので、
「私ってそんないいもんじゃないよ。」
と言って照れて終わってしまいます。
親に聞いても4年間離れて暮らしたので、
もう親が見ていた私とは違う人間になっていて
参考になりませんでした。
そうしているうちに病院見学の時期がやってきます。
病院見学では、座談会のような時間があることもあり、
なぜこの病院か?だけではなく就職したらどの科に配属してもらいたいか?
と聞かれます。これはもう半分面接です。
「なぜうちの病院の見学に?」の質問は必ず聞かれます。
本心は『大病院に就職してやっていける自信がない。
かといって新卒で入院施設がないところだと後でつぶしがきかなくなる。
中規模でかつそこまでガツガツしていないところがよかった』とは言えません…
「今回、緩和病棟を新設されたことを知り
病院全体で患者様に寄り添う体制を
整えようとされているところに魅力に感じました。」となりました。
「どんな看護がしたいか?」に対しては、
本心は『できれば静かな病棟でゆったり看護がしたい』ですが、
「その人の生き方を尊重した看護がしたい」となりました。
「希望科はどこですか?」に対しては、
『何科というより何よりも、静かで落ち着いた病棟で、
先輩も怖くなくて業務も難しくないところがいい』と答えたいところですが、
「緩和ケア病棟でですが、
新人のうちは経験を積んだ方がいいと思うので内科を希望します。
その中でも実習で脳梗塞後のリハビリ患者さんを受け持たせていただき
回復過程の看護に魅力を感じているため神経内科などの科を希望します」となりました。
「学生時代に取り組んだことで印象に残っていることはなんですか?」には
『学生時代はどうやったら週末の予定が埋まるか。
どうしたらプライベートが充実した大学生になれるか。
服のセンスがどうしても良くならない。
彼氏ができない。バイトが楽しい。
の迷路に迷い込んでまだ出てこれていません。』とは言えないので、
「学生時代は学校の勉強や実習があったので
部活などをすることはできなかったのですが、
大変だったけれども看護師になる勉強や実技の習得に集中できました。
社会勉強としてアルバイトをした経験から、
色々な年齢の方と接することで
看護師になってから患者さんとどうやって接していけばいいのかを
考えることもできました。」となりました。

内定をいただいた病院には本当に申し訳ないのですが、
学生の私はこんなもんでした。
看護師という売り手市場でなければ
どこにも就職できなかった自信があります。
結果、就職が決まったのは病床1600床、配属されたのは呼吸器内科でした。
有名な大学病院や全国に名の知れた大病院ではありませんでしたが、
私にとってはもったいないくらいの病院でした。
呼吸器疾患に特に興味はありませんでしたが、
内科とついているだけでも安心できました。
こうして自分の気持ちも固まらないまま就職した私は
この病棟で5年間(同期で一番長く)働くことになります。
それに、勤続年数だけでなくこの病棟の先輩方や患者さんと関わるうちに、
やる気に満ちた看護師に成長していきます。
立派な志がなくても、自分が何者かをわかっていなくても、
社会や人との出会いが自分を変えることもあるということもあります。
今の自分に自信が持てない、胸を張れることもない。と思っているあなた。
人はどこで変わるかわかりません。
自分の前にある道を歩んでみてください。
